Revision 48098250 of "引きこもり" on jawiki'''引きこもり'''(引き籠もり<ref>[http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/183718/m0u/%E5%BC%95%E3%81%8D%E3%81%93%E3%82%82%E3%82%8A/ 国語辞書-大辞泉「ひき‐こもり【引き籠もり】」]</ref>、ひきこもり)とは、長期に亘って[[自宅]]や自室に閉じこもり、[[社会]]活動に参加しない状態が続くこと。
== 定義と呼称の歴史 ==
「引きこもり」の意味は時代とともに変化しているが現在の厚生労働省では次のように定義している。
{{Quotation|「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」時々は買い物などで外出することもあるという場合も「ひきこもり」に含める<ref name="川上憲人">[http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/hikikomori/s1-2.pdf わが国における「ひきこもり」の実態と関連要因:世界精神保健日本調査から](平成22年2月13日)]</ref>{{右|right|- ''厚生労働省''}} }}
* [http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/07/dl/tp0728-1a.doc 10代・20代を中心とした「ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動のガイドライン]
また、次のような定義もある。
{{Quotation|“Association of Relatives And Friends of the Mentally Ill”
:「安心できる場所に退避する状態」{{右|right|- ''オーストラリア''}} }}
もともと「引きこもり」という言葉は、「引きこもる」状態を指す。つまり同じ場所にじっといて出てこない様子のこと。
[[吉川幸次郎]]『宋詩概説』には「弾劾されて失脚し、遠く江蘇の[[蘇州]]に、[[別荘]]を買って『蹌浪亭』と名づけたのにひきこもり」という公職に就いていない、または官職を辞した状態を意味する用例や(岩波文庫版P124、初出1962年)、[[横山光輝]]の『[[三国志 (横山光輝)|三国志]]』(希望コミックス版24巻、[[潮出版社]]、1981年)にも([[諸葛亮]]の台詞として)「これは[[隆中]]にひきこもっているころ聞いたのですが」といった用例がある。なお、[[第2次橋本内閣]]までは、首相の病気による[[内閣総理大臣臨時代理]]の辞令に「[[内閣総理大臣]]何某病気引きこもり中[[内閣法]]第九条の規定により……」と記載されていた。
前述した厚生労働省が定義しているような「引きこもり」の用法が生まれたのは[[平成]]年間以降である。
== 国立精神・神経センター精神保健研究所によるひきこもり概念の説明 ==
* '''厚生労働省/国立精神・神経センター精神保健研究所社会復帰部による 「ひきこもり」の概念'''
** 「ひきこもり」は、'''単一の疾患や障害の概念ではない'''
** 「ひきこもり」の実態は多彩である
** 生物学的要因が強く関与している場合もある
** 明確な疾患や障害の存在が考えられない場合もある
** 「ひきこもり」の長期化はひとつの特徴である
** 長期化は、以下のようないくつかの側面から理解することが出来る
*** 生物学的側面
*** 心理的側面
*** 社会的側面
** 「ひきこもり」は精神保健福祉の対象である
※調査対象者は次の条件をすべて満たす80例(男66例女14例)。初診時の年齢が12歳から34歳(平均19.8歳)、調査時点で13歳から37歳(平均21.8歳)。
* [[統合失調症]]、[[双極性障害|躁うつ病]]、器質性精神病などの基礎疾患がないこと
* 初診時点で3ヶ月以上の無気力・ひきこもり状態があること
* 1989年6月の時点で、本人との治療関係が6ヶ月以上続いていること
* 少なくとも本人が5回以上来院していること(家族のみの相談も多いため)
* 評価表を記入するための資料が十分に揃っていること
== 統計的概況 ==
=== 日本 ===
[[日本放送協会|NHK]][[福祉ネットワーク]]によると、2005年度の引きこもりは160万人以上。稀に外出する程度のケース([[準ひきこもり]])まで含めると300万人以上存在する。[http://www.khj-h.com/ 全国引きこもりKHJ親の会]の推計でも同様である。男女比は調査によって区々で、NHKのネットアンケートによると54:46、「社会的ひきこもり」に関する相談・援助状況実態調査報告によると男性が76.4%、殆どの調査報告において男性は6〜8割の割合で女性より多く存在する。<br>
厚生労働省の調査結果では、ひきこもりを経験した者は1.2%、現在20歳代の者では2.4%が一度はひきこもりを経験。男性に約4倍多い。高学歴家庭では、約20人に1人がひきこもりを経験。家庭が経済的に困窮していたかどうかはひきこもりと関係なし
* 男性に多い
* 20-29歳の者に経験者が多い(40歳代の事例もみられる)
* 高学歴の両親がいる家庭に多い<ref name="川上憲人">[http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/hikikomori/s1-2.pdf わが国における「ひきこもり」の実態と関連要因:世界精神保健日本調査から]川上憲人 東京大学大学院医学系研究科教授</ref>。
==== 引きこもりの高年齢化と長期化 ====
従来引きこもりは若者の問題であると考えられており、[[不登校]]問題と同一視されてきた経緯から、支援対象者は10代から20代を想定した場合がほとんどであった。しかし近年では引きこもりの長期化や、社会に出た後に引きこもりになってしまうケースなどにより、30代、40代の年齢層が増大している。引きこもりの平均年齢は30歳を越え、40代も2割近いという調査結果もある<ref>[http://www.khj-h.com/ 全国引きこもりKHJ親の会]の会員331名に対する調査(2008年)</ref><ref name="東京都">[http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2008/05/DATA/60i5e100.pdf 実態調査からみるひきこもる若者のこころ] [[東京都]] 2008年</ref>。この年齢層では支援の方法も限られてしまい、支援団体でも支援対象者に年齢制限をもうけている場合<!--(多くは34歳以下まで)※要出典-->があり、親も老年期に入っているなどの理由から、行き詰まってしまう場合が多い。また、{{要出典範囲|多くの支援団体では支援内容が若年層を想定したものとなっており、家族が相談に訪れても年齢を理由として支援を拒否されることが少なくない|date=2013年6月}}。{{要出典範囲|[[行政]]による引きこもり支援も同様に若年層を想定しており、条例等の名称に[[若者]]、[[青少年]]などを冠していることが多い|date=2013年6月}}。つまり、行政の対応基準が、実態に沿っていない現状である。
=== 日本以外 ===
[[英国放送協会|BBC]] が、日本の引きこもりについての番組を放映した時に、多くの[[イギリス]]の視聴者から同様の経験を持つコメントが寄せられた。また、[[イタリア]]でも引きこもりが目立ってきており、同国の新聞が特集記事を組んでいる。
同様の現象は、[[大韓民国|韓国]]、[[台湾]]、[[香港]]、[[アメリカ合衆国]]、[[オーストラリア]]、[[イギリス]]など多くの国、特に[[先進国]]で存在すると見られている。[[オックスフォード英語辞典]]には2010年8月、第3版に「hikikomori」の表記で収録された。意味としては“社会との接触を異常なまでに避けること”、“一般的には若い男性に多い”と説明されている。
== 諸分析・諸見解 ==
=== [[精神分析]]と[[精神医学]]から ===
ひきこもりと関連の深い[[精神障害]]の主なものとしては、[[広汎性発達障害]]、[[強迫性障害]]を含む[[不安障害]]、[[身体表現性障害]]、[[適応障害]]、[[パーソナリティ障害]]、[[統合失調症]]などをあげることができる<ref>[http://www.ncgmkohnodai.go.jp/pdf/jidouseishin/22ncgm_hikikomori.pdf ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン]厚生労働省</ref>。
[[厚生労働省]]の調査研究班が、ひきこもり支援にあたる専門機関の職員などに向けた「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」をとりまとめた。
全国5カ所の精神保健福祉センターにおいて、ひきこもりの相談に訪れた当事者184人(16歳~35歳)を対象に精神科診断を行なったもの。
調査結果によると、なんらかの精神障害を有していると診断されたのは149人。分類不可とされた1名をのぞき、<br>
【1】[[統合失調症]]などを有し、薬物療法を必要とする群(49人)<br>
【2】[[広汎性発達障害]]など、生活・就労支援が必要となる群(48人)<br>
【3】[[パーソナリティ障害]]など、心理療法的支援が必要となる群(51人)という、3つに分類された<ref>[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/pdf/1-4.pdf 長期化するひきこもりへの支援~精神保健からのアプローチ~]長野県精神保健福祉センター 大沼泰枝 小泉典章</ref>。<br>
同じく[[厚生労働省]]の調査結果では、56%のひきこもり経験者がこれまでに精神障害を経験していた。しかし精神障害の経験なしの者も44%あった。ひきこもりと同時期の精神障害の発症は多くない。精神障害が合併しやすいが、ひきこもり=精神障害の一症状ではなさそう<ref name="川上憲人">[http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/hikikomori/s1-2.pdf わが国における「ひきこもり」の実態と関連要因:世界精神保健日本調査から]川上憲人 東京大学大学院医学系研究科教授</ref>。
=== 生活習慣 ===
引きこもりというと、まったく外に出られないかというと、そうではない例も挙げられている。程度は人によって異なり、全く自宅から出られない人もいれば、買い物などのために外出する人もいる。自分の趣味に関する用事のときだけ外出する場合が多いとされる(準ひきこもり)。また、近所の[[コンビニエンスストア]]などには出かける人も多いと指摘されている(狭義のひきこもり)<ref name="内閣府">[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf/gaiyo.pdf 若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書(概要版)]平成22年7月 [[内閣府]]</ref>。
[[内閣府]]「[[若者]]の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」によると、ふだん自宅にいるときによくしていることを聞いたところ、ひきこもり群とひきこもり親和群は、「本を読む」や「[[インターネット]]」、「あてはまるものがない」が多く、「家事・育児をする」が少なかった。また、ひきこもり群は、「[[ラジオ]]を聴く」や「[[新聞]]を読む」が多く、「テレビを見る」は比較的少なかった<ref name="内閣府">[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf/gaiyo.pdf 若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書(概要版)]平成22年7月 [[内閣府]]</ref>。
内閣府「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」によると推計70万人の「引きこもり」群は、統合失調症などの病気ではなく、家事や育児をしているわけでもなく、6か月以上にわたって「趣味の用事のときだけ外出する」「近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出られない」「自室からはほとんど出ない」状態のいずれかの人たちと定義づけている。なかでも、「趣味のときだけ外出する」状態の人たちが推計46万人に上り、日本の「引きこもり」の中枢を占めた<ref name="内閣府">[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf/gaiyo.pdf 若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書(概要版)]平成22年7月 [[内閣府]]</ref>
=== 引きこもりの時期 ===
引きこもりは、必ずしも[[学齢期]]にある者が起こすとは限らず、いったん[[社会人]]として自立した者が起こすこともある<ref>[http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/hikikomori/s1-2.pdf ひきこもり開始年齢と期間]</ref>。また、学齢期に引きこもりを起こした者が、立ち直るきっかけを見出せないまま[[中年]]期に達することもある<ref name="内閣府">[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf/gaiyo.pdf 若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書(概要版)]平成22年7月 [[内閣府]]</ref>。
例えば、東京都が2008年、国がニートと定義する15~34歳の男女に絞って無作為抽出した大規模な調査結果をみても、「自室からほとんど出ない」「自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」などの引きこもり状態の人が、都内に少なくとも2万5千人以上いると推計。「引きこもり予備軍」を含めると、その合計は、都内で約20万人に上る計算だ<ref name="東京都">[http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2008/05/DATA/60i5e100.pdf 実態調査からみるひきこもる若者のこころ] [[東京都]] 2008年</ref>。
内閣府が2010年、全国15歳以上39歳以下の者に絞って無作為抽出した3,287人(有効回収数)に対する調査結果をみても、引きこもり群:35~39歳:23.7%、30~34歳:22.0%と引きこもりが高年齢化している<ref name="内閣府">[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf/gaiyo.pdf 若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書(概要版)]平成22年7月 [[内閣府]]</ref>。
== 関連項目 ==
* [[社会問題]]
* [[教育問題]]
* 家庭問題
* [[機能不全家族]]
* [[うつ病]]
* [[統合失調症]]
* [[広汎性発達障害]]
* [[パーソナリティ障害]]
* [[ひきこもり支援相談士]]
=== 引きこもりを題材とした作品 ===
詳細は[[:Category:引きこもりを題材とした作品]]を参照。
== 脚注 ==
<references/>
== 外部リンク ==
* [http://www.khj-h.com/ 全国引きこもりKHJ親の会]
* [http://www.hikikomori-tokyo.jp/ "東京都ひきこもりサポートネット"] - 東京都ひきこもりサポートネット
* [http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2008/05/DATA/60i5e100.pdf 実態調査からみるひきこもる若者のこころ] - 東京都青少年・治安対策本部
* [http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf_gaiyo_index.html 若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)] - 平成22年7月内閣府
* [http://www.ncgmkohnodai.go.jp/pdf/jidouseishin/22ncgm_hikikomori.pdf ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン] - 厚生労働省
* [http://www.khj-hsc.org/ 一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会]
{{DEFAULTSORT:ひきこもり}}
[[Category:不安障害]]
[[Category:メンタルヘルス]]
[[Category:流行語]]
[[Category:社会問題]]
[[Category:日本の家族]]
[[Category:社交]]
[[Category:俗流若者論]]All content in the above text box is licensed under the Creative Commons Attribution-ShareAlike license Version 4 and was originally sourced from https://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=48098250.
![]() ![]() This site is not affiliated with or endorsed in any way by the Wikimedia Foundation or any of its affiliates. In fact, we fucking despise them.
|