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|title=人間失格

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|date=1948年6月~8月(初出)、1985年1月30日(入力底本)、1998年3月5日(校正底本)、1999年1月1日(青空文庫公開)、2011年1月9日(青空文庫修正)
|source=青空文庫:http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card301.html 。入力底本:『人間失格』新潮文庫、新潮社、1985年1月30日100刷改版(初版発行日:1952年10月30日)。校正底本:同1998年3月5日136刷。初出:筑摩書房『展望』1948年6~8月号。
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==はしがき==
 私は、その男の写真を三葉、見たことがある。

 一葉は、その男の、幼年時代、とでも言うべきであろうか、十歳前後かと推定される頃の写真であって、その子供が大勢の女のひとに取りかこまれ、(それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、<ruby><rb>従姉妹</rb><rp>(</rp><rt>いとこ</rt><rp>)</rp></ruby>たちかと想像される)庭園の池のほとりに、荒い縞の<ruby><rb>袴</rb><rp>(</rp><rt>はかま</rt><rp>)</rp></ruby>をはいて立ち、首を三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。醜く? けれども、鈍い人たち(つまり、美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何とも無いような顔をして、

「可愛い坊ちゃんですね」

(contracted; show full)
「それから十年、とすると、もう亡くなっているかも知れないね。これは、あなたへのお礼のつもりで送ってよこしたのでしょう。多少、誇張して書いているようなところもあるけど、しかし、あなたも、相当ひどい被害をこうむったようですね。もし、これが全部事実だったら、そうして僕がこのひとの友人だったら、やっぱり脳病院に連れて行きたくなったかも知れない」

「あのひとのお父さんが悪いのですよ」

 何気なさそうに、そう言った。

「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」


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